天然水とRO水は何が違う?水の種類から考える

選び方

ウォーターサーバーの水を調べていると、「天然水」「RO水」「ミネラルウォーター」「純水」といった言葉が並びます。同じ「水」のはずなのに呼び方がサービスごとに違っていて、何をどう比べればいいのか分かりにくいところです。

この記事では、天然水とRO水が「何をどう処理した水なのか」を整理します。どちらが優れているという話ではありません。ラベルに書かれている言葉の意味が分かれば、自分がどちらを選びたいのかを決めやすくなる、という趣旨です。

天然水とRO水は、作り方が違う

天然水とRO水の作り方の違い(採水からボトル充填までの工程を比較した図解) 天然水とRO水の作り方の違い(採水からボトル充填までの工程を比較した図解)

まず、水そのものの違いです。

天然水は、特定の水源から採った地下水を、最小限の処理でボトルに詰めたものです。後述する分類でいえば、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理を行わないものがこれにあたります。水源によって含まれる成分が違うため、商品ごとに味や硬度が変わります。

RO水は、原水をRO膜(逆浸透膜)でろ過して、水に溶けている成分を取り除いた水です。RO膜は非常に目の細かい膜で、水は通しつつ、水に溶けている多くの成分は通しにくいという性質を利用しています。

ここで注意しておきたいのは、RO水を「純水」「ミネラルがまったく入っていない水」と単純に言い切れないことです。RO膜でろ過したあとに、商品によってはミネラルなどを加えて調整するタイプもあります。

実際、各社の説明もばらつきがあります。アクアクララは「RO膜(逆浸透膜)でろ過した軟水」にミネラルをバランスよく配合したものと説明しており、クリクラは「ミネラルクリアウォーター」という名称を使っています。オーケンウォーターは、天然水と「プラスプレミアム」というRO水の両方を扱っています。

同じ「RO水」という言葉でも、そのあとの調整まで含めると中身は同じではありません。そのサービスが自社の水をどう説明しているかを見るのが確実です。

「天然水」と呼ばれる水には、どんな分類がある?

「天然水」という言葉は日常的によく使われますが、ミネラルウォーター類には、表示上いくつかの分類があります。この記事では、ラベルに表示される品名を理解するため、農林水産省の品質表示ガイドラインを基準に整理します。

品名原水主な処理
ナチュラルウォーター特定水源から採取した地下水ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わない
ナチュラルミネラルウォーター特定水源から採取した地下水のうち、地層中の無機塩類が溶解したものろ過・沈殿・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わない
ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターと同じ原水ミネラルの調整、ばっ気、複数の原水の混合など
ボトルドウォーター上記以外のもの処理方法の限定はない

※分類は、農林水産省「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」に基づいて整理しています。

表を見ると分かるとおり、「天然水」という言葉そのものは品名ではありません。商品名やキャッチコピーとして使われている言葉で、実際にどういう水なのかは、ラベルの品名欄に書かれている分類で判断することになります。

たとえば同じ「天然水」と書かれた商品でも、品名が「ナチュラルミネラルウォーター」なら、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていない地下水です。品名が「ミネラルウォーター」なら、複数の水源の水を混ぜたり、ミネラルを調整したりしている可能性があります。

どちらが良い悪いという話ではなく、複数の原水を混ぜることで品質を安定させているという側面もあります。知っておくと、ラベルの見え方が変わります。

味や口当たりは何で変わるのか

水の味は、含まれている成分の量で変わります。よく出てくるのが「硬度」です。

硬度は、東京都水道局の説明によれば「主なミネラル分である、カルシウム及びマグネシウムの含有量を表したもの」です。一般に、硬度が低い水を軟水、高い水を硬水と呼びます。

なお、東京都水道局では硬度について「おいしさ」の観点から10〜100mg/Lを目標値としています。これは軟水・硬水を分類するための定義ではありません。

ここで押さえておきたいのは、「天然水だからおいしい」「RO水だから味がしない」と一括りにはできないということです。天然水は水源によって硬度も成分も違いますし、RO水も調整の仕方によって口当たりが変わります。同じ分類の中での差のほうが、分類同士の差より大きいこともあります。

なので、この軸で考えるときは「どちらがおいしいか」ではなく、自分がどんな水を好むかで考えるほうが実用的です。いつも飲んでいる水道水やペットボトルの水と比べて、もう少しまろやかなほうがいいのか、あまり味を感じないほうがいいのか。そこがはっきりしていれば、商品の硬度や成分表示を見て見当をつけられます。

価格の考え方が違う

宅配型では、RO水を扱うサービスと天然水を扱うサービスで、水代の設定が異なるケースがあります。

ただし、実際にかかる負担は水代だけでは決まりません。サーバーのレンタル料、サポート料、配送条件、電気代まで含めて、はじめて月にいくらかかるのかが見えます。水代だけを比べて安いほうを選ぶと、総額では逆転していることがあります。

使用量別の具体的な金額は、年間コストを比較した記事で確認できます。

どちらを選ぶかの考え方

天然水とRO水のどちらを選ぶかの考え方(条件別に確認するポイントを整理した図解) 天然水とRO水のどちらを選ぶかの考え方(条件別に確認するポイントを整理した図解)

ここまでを、自分の条件に当てはめて整理します。

水源の水をそのまま飲みたい
→ 天然水が候補になります。商品名ではなく、ラベルの品名欄を確認してください。

使う量が多いので、費用を抑えたい
→ 水代の設定を比べることになりますが、水代だけでなく総額で見てください。

味の好みがはっきりしている
→ 硬度と成分表示を見て、自分の好みに近いものを探すほうが早いです。分類で選ぶより確実です。

赤ちゃんのミルクや料理に使いたい
→ 水の硬度や成分だけでなく、各製品が案内している用途や注意事項も確認しておきましょう。製品によって案内の内容が異なります。

特に決め手がない
→ 水の種類で無理に決める必要はありません。次で触れるとおり、宅配型を選ぶときに見るポイントは水の種類だけではないので、別の軸で決めても構いません。

サーバーを選ぶ段階に進むなら

ここまでで、天然水とRO水では「どんな水を使っているか」だけでなく、原水や処理方法、成分の違いがあることが分かりました。

ただ、宅配型ウォーターサーバーを選ぶときに見るべきポイントは、水の種類だけではありません。ボトルを回収するのか使い切りなのか、注文ノルマや休止の条件はどうなっているのか、水代以外にどんな費用がかかるのか、最低利用期間や解約の条件はどうなっているのか。

水の種類まで決まったら、次は「宅配型の中でどう選ぶか」を考えてみましょう。宅配型ウォーターサーバー、選ぶときは何を見る?で、5つの軸に沿って整理しています。

そもそも宅配型でいいのか迷っている段階なら、4つの選択肢を比較した記事や、浄水型と宅配型を比較した記事に戻って考え直すこともできます。

まとめ

  • 天然水は特定の水源の地下水を最小限の処理でボトルに詰めたもの、RO水はRO膜でろ過して成分を取り除いた水です。RO水は商品によって、そのあとミネラルを加えて調整しているものもあります。
  • 「天然水」は品名ではありません。実際の中身は、ラベルの品名欄(ナチュラルミネラルウォーターなど)で判断します。
  • 味は硬度や成分で変わりますが、「天然水だからおいしい」「RO水だから味がしない」とは言えません。分類ではなく自分の好みで考えるほうが実用的です。
  • 費用は水代だけでは決まりません。サーバー料金や電気代まで含めて比べてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました