ウォーターサーバーのサーバー代が無料なのはなぜ?「無料」の仕組みを考える

契約のリアル

ウォーターサーバーの広告には、「サーバーレンタル料0円」「初期費用0円」という言葉がよく並びます。冷水も温水も出る機械を無料で使えるなら、どこかでお金が発生しているはずです。

結論から言うと、「サーバー代無料」は、ウォーターサーバー全体が無料という意味ではありません。無料にしている費用を、会社によって違う形の料金で成り立たせています。しかも、その仕組みは1種類ではありません。水代でまかなう会社もあれば、サポート料でまかなう会社、レンタルという名目自体を使わない会社もあります。

この記事では、特定の会社をおすすめするのではなく、各社が公式サイトで説明している料金の仕組みをもとに、「無料」の中身を整理します。

「サーバー代無料」でも、ウォーターサーバー自体が無料とは限らない

まず確認したいのは、「何が無料で、何が無料ではないか」です。ウォーターサーバーの利用にかかりうる費用には、次のようなものがあります。

  • サーバーレンタル料
  • お水の代金
  • 電気代
  • 配送料
  • サポート料・メンテナンス費用
  • 休止手数料
  • 解約時の費用(解約金・違約金など)

「サーバー代0円」という表示は、多くの場合このうち「サーバーレンタル料」だけを指しています。お水の代金や電気代まで0円とは限りません。それぞれにいくらかかるかという金額の比較は、ウォーターサーバーの年間コストを整理した記事で行っています。ここではまず、「無料」がどの費用を指しているのかを、会社ごとに見ていきます。

なぜサーバー本体を無料にできるの?

サーバー本体の費用はどこへ行った?(サーバー本体・設置の費用は0円→契約期間のあいだ毎月の支払いに少しずつ含めて回収→一定期間が終わると回収が完了する、という3ステップと、契約期間の途中でやめると解約金がかかる会社が多いという注意書きを示した図解) サーバー本体の費用はどこへ行った?(サーバー本体・設置の費用は0円→契約期間のあいだ毎月の支払いに少しずつ含めて回収→一定期間が終わると回収が完了する、という3ステップと、契約期間の途中でやめると解約金がかかる会社が多いという注意書きを示した図解)

「サーバー代無料」を実現している会社の一つに、オーケンウォーターがあります。同社は公式サイトのコラムで、なぜ無料にできるのかを次のように説明しています。

ウォーターサーバー会社の収益は、主に毎月配達されるボトルの利益で成り立っています。

さらに、契約期間との関係についてもこう説明しています。

ウォーターサーバーの月額基本料金は、利用者が一定期間継続して利用することを前提にして決められています。ウォーターサーバー会社は、機器の製造と運搬・設置にかかる初期費用を契約期間中に徐々に回収し、一定期間後にはじめて利益が生まれる仕組みになっているためです。

つまりオーケンウォーターの場合、サーバー本体の製造や設置にかかる初期費用を、毎月の水代の中に含めて少しずつ回収する、という考え方です。契約期間や最低注文数を設定しているのも、この回収を安定させるためだとしています。

ただし、これはオーケンウォーター自身が説明している、自社のビジネスモデルの一例です。すべてのウォーターサーバー会社が同じ仕組みで無料を実現しているとは限りません。次の項目で、他社の例を見ていきます。

「無料」の代わりに、どこで料金が発生する?

「サーバー代無料」を成り立たせる方法は、会社によって違います。ここでは、確認できた範囲で4つのパターンに整理します。

「無料」の代わりにどこで料金が発生する?(水代に含まれる・サポート料などに含まれる・注文や休止に条件がある・契約期間とセットになっている、という4つのパターンを並べたカード図解) 「無料」の代わりにどこで料金が発生する?(水代に含まれる・サポート料などに含まれる・注文や休止に条件がある・契約期間とセットになっている、という4つのパターンを並べたカード図解)

水代に含まれる

オーケンウォーターのように、サーバーレンタル料・初期費用・配送料を0円にし、毎月のお水の代金として回収する方法です。ワンウェイウォーターも公式サイトで「初期費用無料」「サーバーレンタル無料」「配送料無料」「メンテナンス料無料」としたうえで、「飲んだお水の分だけお支払い」という料金体系を掲げています。同じ「水代に含める」パターンでも、契約期間の設定や解約時の費用は会社ごとに異なります。

サポート料などに含まれる

アクアクララは、サーバーレンタル料という項目を設けず、「あんしんサポート料」という月額費用と水代で料金を構成しています。同社はあんしんサポート料について、「専門スタッフ(アクアクララポーター)によるウォーターサーバーの設置(撤去)費用、定期メンテナンス費用、故障対応サービスが含まれる費用」と説明しています。「レンタル料は無料」なのではなく、そもそもレンタル料という名目自体を使っていない、という設計です。

注文・休止などの条件がある

サーバー代を無料にする代わりに、一定の注文数や休止日数の上限を条件にしている会社もあります。オーケンウォーターは「1回の注文につき2本以上」を最低注文数としており、休止も2ヶ月を超えると1ヶ月あたり880円(税込)の手数料が発生します。自分の家でどのくらいお水を使いそうかは、ウォーターサーバーの水を月に何L使うか考えた記事で目安を確認できます。

こうした条件は、すべての会社にあるわけではありません。アクアクララは自社サイトで、「日本の多くのウォーターサーバーサービスで、月に数本以上の購入を必須とするノルマ制度を設けています」としたうえで、自社はこの仕組みを採用していないと説明しています。「無料だから必ずノルマがある」わけではなく、会社によって設計が異なるということです。

契約期間とセットになっている

オーケンウォーターは、初期費用の回収が不十分な段階で解約されると費用を回収できなくなるため、「多くのウォーターサーバー会社が解約金を設定しています」と説明しています。実際、同社は天然水で2〜3年、RO水で2〜5年の最低契約期間を設けており、期間内の解約には16,500円(税込)の解約手数料がかかります。プレミアムウォーターの「もっとPREMIUMプラン」も最低利用期間は5年です。

一方で、クリクラの「ベーシックプラン」のように契約期間がなく解約違約金も0円のプランを用意している会社もあります。サーバー代が無料でも、契約期間や途中解約の条件まで無料とは限りません。解約金の具体的な金額はウォーターサーバーを途中でやめるといくらかかるかを整理した記事で比較しています。

なお、水道水をろ過して使う浄水型は、これらとは逆の設計です。楽水ウォーターサーバーは「お水代は水道料金で、購入する必要はなく、カートリッジは無料で配送いたします」としたうえで、月々のレンタル料(税込3,630〜3,850円)を払う仕組みにしています。無料になる対象も、有料になる対象も、方式によって変わることがわかります。宅配型と浄水型の違いはこちらの記事で整理しています。

「無料」=お得とは限らない

ここまで見てきたように、「サーバー代無料」は、その分の費用をどこか別の形で払っている、というだけの話です。無料だから損、というわけでも、無料だから得、というわけでもありません。

サーバー代が0円でも、水代やサポート料、休止手数料などを含めた毎月の合計額は会社によって違います。逆に、サーバーレンタル料がかかる会社でも、お水の代金や配送料を含めたトータルでは安くなる場合もあります。「レンタル料」という一つの項目だけを見て比べると、実際の負担とずれることがあります。

各社の年間コストをまとめて比較したい場合は、ウォーターサーバーの年間コストを整理した記事を参考にしてください。

「無料」を見たら、契約前に何を確認する?

国民生活センターは2024年11月、ウォーターサーバーの勧誘トラブルについて注意を呼びかけました。相談事例には、「サーバーは3年間無料でレンタルできる」と説明されて契約したものの、あとから3年以内の解約には違約金がかかると分かったケースや、「月々のレンタル料を払えば数年で自分のものになる」と説明されたのに実際は購入契約で、サーバー購入代金の残りとして約10万円を請求されたケースが紹介されています。

こうした行き違いは、この記事で見てきた「無料の仕組み」を知っていれば、契約前に気づけることが多いものです。「無料」という言葉を見たら、次の点を確認しておくと安心です。

確認すること見るポイント
サーバー代本当に0円か
水代1回にいくら・何L届くか
その他の料金電気代・送料・サポート料など
注文・休止最低注文量や休止手数料があるか
契約期間最低利用期間はあるか
解約途中でやめた場合どうなるか

※具体的な金額や条件は会社ごとに異なり、変わることもあります。契約前に必ず公式サイトで確認してください。

具体的な金額の比較は宅配型ウォーターサーバーの選び方の記事や解約金についての記事、契約前に気になりやすい点はこちらの記事でも整理しています。国民生活センターは、ショッピングセンターなどでの勧誘による契約は特定商取引法上の訪問販売にあたり、クーリング・オフや契約の取消しなどができる場合があるとしています。困ったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます。

まとめ:無料の中身を、分けて見る

「サーバー代無料」という言葉だけを見ると、「本当に無料なの?」と疑問に感じるかもしれません。でも、無料にできること自体がおかしいわけではありません。

大切なのは、何が無料なのか、代わりに何を支払うのか、どんな条件があるのかを分けて見ることです。サーバー代だけを見て決めるのではなく、水代や契約条件まで確認して、自分の使い方に合うかを考えてみましょう。

そして、無料の中身を確認していくと、次に気になってくるのが「契約期間」や「解約金」の話です。「縛りなし」「解約金なし」とうたうサービスが実際にどういう条件なのかは、次の記事で見ていきます。

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