申し込んだあとで、引っ越しが決まった。家族と相談したら、やっぱり今じゃないと言われた。もう少し比べてから決めたくなった。
ウォーターサーバーは、申し込んでから実際に届くまで、数日から1週間ほど間があくことがあります。その間に気が変わったとき、「まだ届いていないなら、取り消せるのでは?」と考える人は多いと思います。
先に結論を書くと、「届く前だから無料」とは限りません。この記事では、特定の会社をおすすめするのではなく、各社の公式サイトの利用規約・よくある質問と、消費者庁・国民生活センターの情報をもとに、申し込みから初回のお届け・設置までの間に取り消すときの考え方を整理します。設置したあとの途中解約(解約金)については、ウォーターサーバーを途中でやめるといくらかかるかを整理した記事で扱っています。
届く前なら、いつでもキャンセルできる?
「届く前だから」と考えたくなりますが、規約で条件を明記している会社では、「届く前」の中にも区切りがあります。
大きく分けると、次のような流れになります。
- 初回お届け予定日の○日前まで:無償で取り消せると明記している会社がある
- その期限を過ぎてから、お届け予定日の前日まで:まだ届いていなくても、事務手数料が設定されている会社がある
- 届いたあと(受け取り後):「取り消し」ではなく、解約の手続きとして扱われる会社がある
つまり、「まだ届いていない」ことと、「無料で取り消せる」ことは、同じではありません。ウォーターサーバーは、申し込みのあと、発送の準備が進んでからお届けになります。U-Premiumは、期限を過ぎると手数料がかかる理由を、重要事項説明書で「既に当社からサーバーを出荷しているため」と説明しています。
キャンセルできる期限は、どこで決まる?
期限の基準になるのは、申し込んだ日ではなく、「初回のお届け予定日」です。お届け予定日から逆算して、「○日前」「○営業日前の○時まで」といった形で決められています。
たとえばプレミアムウォーターのよくある質問では、ウォーターサーバーの受け取り前のキャンセルは、初回配送予定日の「5営業日(土日祝を除く平日5日間)前の18時まで」であれば無償とされています。これは、北海道以外で、有料の設置サービスを申し込んでいない場合の条件です。北海道や、有料の設置サービスを申し込んだ場合は、6〜8営業日前と、期限がさらに早くなります。期限を過ぎた場合は、有料の設置サービスを申し込んでいないケースで、サーバー1台あたり5,500円(税込)とされています。
コスモウォーターの利用規約は、初回のサーバーが届く前の解約について、「初回のサーバーお届け予定日の7日前」までに連絡する形を取っています。7日前を過ぎてからお届け予定日の前日までは、事務手数料として税込7,700円(北海道は税込11,000円)と書かれています。
同じ「届く前」でも、期限の数え方や、手数料の金額は会社によって違います。「7日前」と日数で書く会社もあれば、「5営業日前の18時まで」と、土日祝を除いた日数と時刻まで決めている会社もあります。年末年始や大型連休は、期限が別に定められている場合もあります。連絡方法も、電話のみの会社があるので、ぎりぎりになってからでは間に合わないことがあります。
また、今回確認した範囲の公式サイトでは、発送前に取り消す場合の期限や費用について、はっきりした記載が見当たらない会社もありました。書かれていないことは、「無料で取り消せる」という意味でも、「取り消せない」という意味でもありません。申し込む前か、申し込んだ直後に、窓口に確認しておくのが確実です。
契約期間や解約金の見方は、「縛りなし」「解約金なし」の中身を確認した記事で整理しています。届く前の取り消しの条件は、それとは別に定められていることがあるため、契約期間の条件だけで判断しないようにします。
「受け取らなければキャンセル」とは限らない
期限を過ぎてしまったとき、「届いたときに受け取らなければ、キャンセルになるのでは」と考える人もいるかもしれません。ただ、受け取りを断る「受取拒否」は、「届く前に、会社に取り消しを連絡する」ことと、同じ扱いにならない場合があります。
ハミングウォーターの利用規約(令和8年9月1日改定)は、この違いがはっきり書かれている例です。
| 状況 | 規約での扱い |
|---|---|
| 届く前に、お届け予定日の7日前を過ぎてから前日までに連絡した場合 | 事務手数料 税込8,140円(北海道は税込11,000円) |
| 届いたときに、初回のサーバーを受取拒否した場合(長期不在を含む) | 「解約の申し出」とみなし、サーバー引取手数料相当額 税込33,000円 |
※2026年9月時点の規約に記載されている内容です。ほかの条件(期限内の連絡など)は、規約の全文で確認してください。
この規約では、「届く前に連絡する」のと、「届いてから受け取らない」のとで、扱いも金額も別に書かれています。受け取らないでいると、「キャンセルした」のではなく、「解約の申し出をした」とみなされる、というのがこの会社の規約の考え方です。
ほかの会社でも、受取拒否や、長期不在で返送になった場合の費用は、規約や特定商取引法に基づく表記に書かれていることがあります。たとえばプレミアムウォーターの規約には、受け取られずに返送された場合の配送事務手数料として、サーバー1台あたり5,500円(税込)、お水1セットあたり1,100円(税込)と書かれています。また、プレミアムウォーターのよくある質問には、「ウォーターサーバーのお受取後にキャンセルをすることはできません」とあり、受け取ったあとは解約の手続きになり、契約解除料がかかると説明されています。
会社によって扱いは異なります。だからこそ、「受け取らなければ大丈夫」と考えるより、迷ったときは、届く前に、申込先の窓口へ連絡するほうが、あとで想定外の費用が発生する可能性を減らせます。
ネット申込なら、クーリング・オフできる?
「契約してもクーリング・オフがあるから大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。ここは、どこで申し込んだかで話が変わります。
国民生活センターは、「通信販売には、クーリング・オフ制度はありません」としています。インターネットやカタログで申し込むのは通信販売にあたるため、ネットで申し込んだウォーターサーバーの契約は、届く前かどうかにかかわらず、クーリング・オフの制度の対象ではありません。
通信販売には、商品を受け取った日から8日以内の申込みの撤回・解除に関する規定がありますが、消費者庁の特定商取引法ガイドは、「事業者が広告であらかじめ、この契約申込みの撤回や解除につき、特約を表示していた場合は、特約によります」としています。ウォーターサーバー各社の規約には、自己都合の返品は受け付けない旨が書かれているものもあります。ただ、どの契約にこの規定がどう当てはまるかは、広告の表示や契約内容によって変わる可能性があるため、この記事では判断しません。
一方で、次のような場合は、話が変わります。国民生活センターは、1日限りの特設店でウォーターサーバーを契約した相談について、「営業所等以外の場所での契約は、特定商取引法上の訪問販売に該当する可能性があります」とし、訪問販売であれば、法律で定められた書面を受け取った日を1日目として8日以内ならクーリング・オフできる、と説明しています。自宅への訪問や、電話での勧誘で契約した場合も、クーリング・オフの対象になりえます。
プレミアムウォーターも、クーリング・オフの対象を「店頭、電話販売、訪問販売でお申込みいただいたお客様」としています。
どの申し込み方にあたるのか、8日以内に間に合うのかなどで迷ったときは、消費者ホットライン「188」で、最寄りの消費生活センターに相談できます。
訪問設置型は、どこに連絡すればいい?
ここまでの会社は、主に宅配便でサーバーが届くタイプです。一方で、スタッフが自宅を訪問して設置するタイプもあります。
たとえばアクアクララは、申し込み後、遅くとも翌営業日までに販売店から設置の相談の連絡がある流れになっています。クリクラ、ウォータースタンド、楽水ウォーターサーバーのように、設置の訪問や工事があるサービスもあります。
ただ、これらの会社については、今回確認した範囲の公式サイトでは、「設置前に取り消す場合の期限や費用」を定めた記載は見当たりませんでした。書かれていないことは、「無料で取り消せる」という意味でも、「取り消せない」という意味でもありません。
そのため、設置日を決める連絡があったときに、次の3点を、その場で聞いておくのが確実です。
- 設置前に取り消す場合は、いつまでに連絡すればよいか
- 費用はかかるか
- 連絡先は、販売店か、本部の窓口か
まとめ:「届く前だから大丈夫」ではなく、期限と条件を確認する
- 規約で条件を明記している会社では、取り消しの期限を「初回お届け予定日の○日前」に置いていることが多い(期限内は無償と明記している会社もある)
- 期限を過ぎると、まだ届いていなくても事務手数料がかかる会社がある
- 「届く前に連絡する」ことと、「届いてから受け取らない」ことは、別のこととして扱われる場合がある
- ネットでの申し込みは通信販売にあたり、クーリング・オフ制度の対象ではない。イベント会場の特設店・訪問・電話での契約は、対象になりうる
- 訪問設置のサービスは、設置前の取り消し条件を、最初の連絡のときに確認しておく
ウォーターサーバーを申し込んだあとで予定が変わったときは、まず、申込先の規約を確認しましょう。「いつまでなら無料なのか」「期限を過ぎると何がかかるのか」「受取拒否はどう扱われるのか」を見ておけば、届いてから慌てずに済みます。
契約後にやめる場合の解約金については、別の記事で詳しく整理しています。契約前に気になりやすいほかの点は、契約前に気になることをまとめた記事もあわせてどうぞ。


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